「メルカリShops」の本格提供がスタート - 発表会で語られたその狙い

「メルカリShops」の本格提供がスタート - 発表会で語られたその狙い

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  • 11/04/2022

メルカリにおける新規事業の企画・開発・運営を行うソウゾウは10月7日、スマホ1つで誰でも簡単にネットショップを開設できるEコマースプラットフォーム「メルカリShops」(メルカリショップス)の本格提供を同日よりスタートすると発表しました。これにより、個人・法人を含むすべての事業者が「メルカリShops」に出店可能となります。提供開始にあたって開催された発表会では、ソウゾウ代表取締役CEOの石川佑樹氏が「日本のEC化をさらに強力に推進していきたい」と意気込みを語りました。

メルカリShopsはフリマアプリ『メルカリ』で出品するような手軽さで、スマホひとつでネットショップの開設・商品の出品ができ、独自の集客努力なしで月間2,000万人以上の利用者にモノを届けられるサービス。初期費用・月額費用ともに無料で、10月7日~12月31日までは販売手数料も無料となります。今夏(2021年7月28日~)より、出店者をクリエイター/生産者/小規模事業者などにしぼってプレオープンしてきましたが、10月7日より、すべての個人・法人が出店可能となりました。

「プレオープンの2か月間は、日本全国の津々浦々、個人・法人の方々がご自身のネットショップを開設してきました。先行出店者の57%がEC初出店で、山形の企業は月商1,000万円も達成しました」と石川氏。また、メルカリShopsでは約6割の商品が地方から発送されていると分析。地方の活性化にも貢献できている、とアピールします。

発表会には、プレオープン期間にメルカリShopsで実際に出店した事業者もオンラインで参加。「ちょうどECサイトの開設を検討しているときにメルカリShopsの存在を知りました。既存のサービスでは管理運営にテクニックが必要ですが、メルカリShopsなら手間なく始められるのが魅力でした。普段からフリマアプリのメルカリを利用しているので、ハードルも高くは感じませんでした」と話していました。

今回のサービス本格提供開始に合わせ、「メルカリShops」の機能・サービスがアップデートされます。配送料金が全国一律で、匿名配送・宛名書きが不要の「メルカリ便」を開始するほか、酒類の取り扱いを解放するなど出品カテゴリー拡大がはかられ、またフォローした相手からの出品があると通知が届く「フォロー機能」などにも対応します。

さて、これまでメルカリではC2C(個人間取引)で事業拡大してきました。そんな同社が、メルカリShopsで初めて企業対消費者のB2C事業に参入することになります。その背景について、石川氏は「昨年から続くコロナ禍において、メルペイの加盟店を含めて、オフラインが厳しい状況となりました。店舗様の厳しい現状を目の当たりにして、何かできるか、考えたのがきっかけとなりました」と説明します。そして「初期費用、月額費用、販売手数料をすべて無料とすることで、クリエイター、生産者、小規模事業者さまの事業機会を創出し、日本のEC化を推進していければと考えています」と続けました。

「メルカリShops」の本格提供がスタート - 発表会で語られたその狙い

発表会では、出店の簡単さをアピールするべく、お笑い芸人のチョコレートプラネットがコントの小道具を販売する「チョコプラ小道具店屋」をオープンさせるシーンもありました。長田庄平さんが手作りした、世界に1つしかない小道具を販売するユニークなショップです。注目の初商品は「見たことないビーサン」でした。VTRに登場した長田さんは「世界で誰も持っていない、1点モノのビーチサンダルです」とアピールします。

そして販売開始から数分後には司会者から「売り切れました」との報告がありました。ビーサンに続く第2弾のコント道具は10月14日に発表・出品されるとのことです。

また、デジタルの日(10月10日、11日)に合わせた取り組みとして、渋谷センター街の空き店舗のシャッターにメルカリShopsの出店店舗を再現した3D店舗をオープンするという試みも行っています。これはメルカリShopsに出店する地方の店舗をシャッター上に再現したもので、手持ちのスマホでQRコードを読み込めば、そのまま商品も購入できる仕掛けです。渋谷の4箇所に10月13日まで掲出されます。

3D店舗の場所として渋谷を選んだのはメルカリの利用者とのマッチングを考慮してのこと、取り扱い商品を農産品・食品などにしたのは渋谷の街とのギャップを狙ったそうです。たしかに、若者の多い渋谷の街なかに地方の農家や醸造品の専門店が出現したというのは、新鮮な印象を受けます。

最後に、石川氏は「ソウゾウは日本のEC化を推進していきます。ネットショップを限られた人のものから、みんなのものへ――。メルカリShopsを通じて、これを実現していきます」とプレゼンテーションをまとめました。

発表会の最後には質疑応答の時間がもうけられ、メディアの質問に石川氏が対応しました。

競合他社のサービスとの差別化について聞かれると「メルカリShopsでは、簡単で売れるということに注力して展開していきます。いままで事業をしてこなかった人、初めてネットでモノを売る人に、サービス価値を提供していければ。これまでのプレオープン期間で、多くの人に“売れる”体験を届けてきました。今後これをさらに広げていきたい」と回答します。

そして「コロナ禍によりオンラインソリューションの必要性が高まりました。けれどネットショップは開設が難しく、ネットショップをオープンしても売れないことも多い。従来、ネットショップの運営には一定のリテラシーが必要だったからです。メルカリShopsを、そういった人たちに響くソリューションにしていきたい」と語りました。

酒類の販売を解放したということで酒類小売業免許の扱いについての質問もありましたが、「出店いただく際に、酒類販売の免許を提出いただきます。酒類だけでなく、販売に免許が必要なケースでは、各資格の情報を提出してもらい、内容の確認・審査後に販売いただくフローをとっています」と説明しました。