Androidデバイスには、複数のユーザーが使い分けられる「マルチアカウント」機能があります。タブレットはともかく、個人で使うことが前提のスマートフォンでは必要がないように思っていたのですが……。ところがどっこい、結構役に立っています。
筆者の場合、特定のユーザーアカウントを設定しているわけではなく、誰かに貸すときに備えて「ゲストモード」を設定し、すぐに切り替えられるようにしています。
ゲストに電話を使わせるには「通話と通信履歴の共有を許可」をタップ。発着信履歴(電話番号)は表示されるが、所有者のアカウントに紐づく連絡先は表示されないロック画面の右上に「所有者」アイコンが表示され、それをタップすると「ゲスト」アイコンが表示され、タップで切り替えられる僕がいま使っているのは「HUAWEI P9」。あちこちで「これ、いいよ!」と言いまくっているからでしょうか、友達から「触らせてほしい」「写真を撮ってみたい」などと言われることがあります。自分のスマホの中に秘密があるわけではありませんが、スマホをそのままの状態で他人に手渡すのって嫌じゃないですか? おそらく借りる方も気になるのではないかと。貸している間に、LINEやメールの通知が届いたりするのも、ちょっと気になります。ゲストモードに切り替えておけば、所有者として設定してある情報は一切表示されず、通知も届きません。安心して、第三者に手渡すことができます。
筆者の現在のホーム画面ゲストモードに切り替えると、購入時のホーム画面に小さな子どもも、スマホに触りたがりますよね? 写真を撮りたがったり、ゲームをしたがったり、動画を見たがったり……。そんなときも、ゲストモードに切り替えておけば、保存してあるデータを誤って消されたり、電話を誤発信されたりする心配から解消されます。
所有者アカウントで使っているものと同じアプリを、別のアカウントで使うことも可能ゲストモードでは、所有者として設定しているものとは別のGoogleアカウントを設定しています。Gmailを送受信でき、アプリもダウンロードできます。つまり、1つのスマホで複数の同じアプリを使えるんです。一般的には、その必要性はないのかもしれませんが、個人的には、すご~く役立っています。例えば、アプリの操作手順を説明する記事を作る際に、スクリーンショットが必要になるのですが、所有者のアカウントのままだと、実使用感が満載で、スクリーンショットにぼかし処理が必要になったり、リセットする必要が生じたりします。それが、ゲストモードを使うことで、初期設定の状態から始めた場合の理想的なスクリーンショットが撮れるんです。
工夫次第で、いろいろな使い方ができそうなマルチアカウント機能ですが、アカウントごとに「言語と地域」の設定を変えることはできない模様。中国語圏に行くときに備えて、中国語に設定したアカウントを用意しておくと便利かなぁ、と思ったのですが、ゲストモードで言語設定を変更すると、所有者モードの言語も切り替わってしまいました。ですが、逆に、使い分けできないのはそれくらい。指紋やパスコードも個別に設定できますし、写真や音楽なども、アカウントごとに分類されて、他のアカウントでは利用できなくなります。
大事なことなので、もう一度書きますが、僕のスマホの中には秘密はありません。ですが、人に見られなくない、知られたくない秘密がある人にも、この機能は役に立つと思いますよ。