中国で行なわれたXiaomiスマホの発表会のストリーミングなどをご覧になられた方なら知っているだろうが、発表会の時間の大半は写真画質の説明である。これにはHuaweiやOPPO、Vivoといった競合メーカーも写真の画質向上に力を注いできており、その結果消費者に受け入れられ、Xiaomiがシェアを奪われた経緯がある。
Xiaomiは2018年3月のフラグシップモデル「Mi MIX 2S」で、第三者評価機関DxOMarkのMobile部門で101というスコアを打ち出し、それ以降、写真画質の向上を徹底する戦略を打ち出してきた。
しかし実際に筆者がそのMi MIX 2Sと、ほぼ同時期OnePlus 6の写真画質を比較すると「発表会ではそこまで言われてないOnePlus 6のほうが良くないか?」という感想を持った。なので、Mi Note 10発表会ストリーミングも、「まぁ話半分だろうなぁ」という気持ちで観ていた。今回、果たしてそのイメージを払拭できるのかが焦点となる。
今回Mi Note 10に搭載されているセンサーは、Samsungの「ISOCELL Bright HMX」。センサーサイズは1/1.33インチで、スマートフォン向けとしては過去最大クラスとなる。この開発にはXiaomiが積極的に関わっているため、しばらくは独占的にXiaomiに供給されると見られる。
ISOCELL Bright HMX搭載のカメラモジュール(Xiaomiの中国での発表会の公式ストリーミングより)。右の1,300万画素のモジュールと比較にならないほどの大きさだISOCELL Bright HMXの実現は技術的にものすごく難しいものというわけではない。というのもSamsungはすでに1/2インチで4,800万画素の「GM1」、1/1.7インチで6,400万画素の「GW1」を投入してきているからだ。この2モデルはともに画素サイズが0.8μmだが、これを単純に1/1.33インチに拡大すれば1億800万画素になる。
ただコストとなれば別問題で、1/1.33インチのセンサーに見合うレンズ、そのレンズを駆動して手ブレ補正に対応できるモーター機構を用意しなければならない。そのためMi Note 10のこのメインカメラモジュールの原価は「Snapdragon 855 5個分」になっているという。ここからも、Xiaomiの写真画質への執着心が伺える。
ちなみにMi Note 10の開発当初の写真画質の目標は「DxOMark MobileでP30 Proを超えること」だという。それだけHuaweiに苦汁をなめさせられたということがよくわかるのだが、実際にこれを難なく達成し、Huaweiの「Mate 30 Pro」に並ぶ121のスコアを記録した。筆者はMate 30 Proを所持していないため、これと比較することは不可能だが、Mi Note 10の画質には期待したいところだ。
上から順に500万画素/125mm相当望遠(画素サイズ1.0μm)、1,200万画素/50mm相当の標準(同1.4μm)、1億800万画素/25mm相当の広角(同1.6μm)、2,000万画素/15mm相当の広角(同1.0μm)、200万画素のマクロレンズ(ピント距離2~10cm)カメラDxOMark Mobileのスコア。ちなみに同じスコアでタイなのに、Huaweiが上なのは「会社名のアルファベット順の問題」とのこと