オタクなCEOが目指したポータブルゲーム機の究極形が「AYA NEO」。Uncle Tail氏を訪ねる

オタクなCEOが目指したポータブルゲーム機の究極形が「AYA NEO」。Uncle Tail氏を訪ねる

  • 沿って huawei-accessories
  • 30/03/2022

超ハードコアゲーマーなCEO

--:AYA NEOというのはとても若い会社ですね。まだ知らない読者のために、設立した経緯や事業内容について教えて下さい。

Uncle Tail:AYA NEOは、ポータブルでAAAゲームタイトルをプレイしたいゲーマーのために設立された会社です。創設者であるUncle A氏は当初、レゴブロックとエンジニアリング基板を使い、最初の製品を作り上げました。その後中国の動画サイトBilibiliで大きな反響と注目を浴び、1年の研究開発を経て、初代AYA NEOを完成させました。AMDアーキテクチャを採用し、性能とポータビリティにおいて完璧なバランスを実現しました。

AYA NEOは発表されてから、中国に続いて、全世界でクラウドファンディングを行ない、数千万人民元という出資を募りました。これまでに3,000台近い出荷を達成しています。さらに、世界各地からの予約--この中には日本も含まれますが--も頂いており、この出荷に向けてさらなる準備と努力をしているところです。

社内には現在30人おりますが、その多くはゲーマーで、ともに理想のポータブルデバイスの実現に向けて日々努力しています。

AYA NEOのオフィス

--:5月に、Uncle A氏から職位を引き継いだわけですが、ご自身についても紹介していただけますか。

Uncle Tail:大学卒業後、10年間かけて2つの企業を創設してきました、中国国内でデジタルコンシューマ向けの企業と、電気自動車関連の企業を運営しています。

私も多くの読者と同じように、熱狂的なゲーマーであり、なおかつポータブルデバイス好きなユーザーでもあります。高校生の時には、既に中国最大のeスポーツ関連の雑誌で、ポータブルゲーム機について紹介するコラムを執筆していました。大学時代にはゲーム情報を扱うサイトを開いたほか、ゲームの中国語化チームにも携わった経歴があります。

私はとにかくポータブルゲーム機が好きです。市場で買えるほとんどのポータブルゲーム機を所有しているほか、任天堂とソニーのすべてのポータブルゲーム機を持っています。ワンダースワン、ワンダースワンカラー、ネオジオポケット、ネオジオポケットカラーといった、中国では非常に珍しい機種もコレクションしていて、大好きです(編集部注:同氏のオフィスにダンボールで、きれいに大量保管されていました)。

今は、「ゲーマー」と「AYA NEOのCEO」という2つの職業を兼任しています。この“兼任”によって、ポータブルゲーム機に対する理解をAYA NEOというブランドの管理の中に取り入れることができると考えています。ゲーマーとして、我々のユーザーにゲーム愛好者のためにデザインされた製品であることを保証でき、企業家としては、これまで長年の企業管理の経験を活かし、AYA NEOを最高のWindowsポータブルゲーム機ブランドとして育てることができるのではないかと思っています。

--:ご自身がハードコアゲーマーだということで、個人的なことへの質問にはなりますが、どのようなゲームをプレイしてますか。

Uncle Tail:おそらく中国の多くのゲーマーと同じように、ファミコンからはじめました。まだ小学校の頃ですね。その頃は「スーパーマリオ」に没頭してました。もちろん、いまでもNintendo Switch上でスーパーマリオに没頭してます(笑)。こうしたシンプルなルールのゲームゆえの奥深さや魅力を発見するのが好きなんです。

オタクなCEOが目指したポータブルゲーム機の究極形が「AYA NEO」。Uncle Tail氏を訪ねる

美術的な観点から言えば、アーケード版の「メタルスラッグ」が好きですね。リリースされてから数十年が経ちますが、依然としてドット絵としての美しさに心惹かれます。

仕組みを理解すれば容易に上達できる「ファイアエムブレム」、「オウガバトルサーガ」、「ファイナルファンタジータクティクス」のような戦略ゲームも好きです。このほか「OUTRUN」、「パワースマッシュ」、「ストリートファイター」、「King of Fighters」などもハマりましたね。

レトロゲームばかり話してしまいましたが、AYA NEOでプレイしているゲームを挙げると、高い芸術センスを評価したい「DIRT 5」、ドット絵のような表現の「Broforce」、独特な世界観の自転車レース「Lonely Mountains Downhill」などが好きですね。

ゲームが大好きだというUncle Tail氏。中でもレースゲームが好きのようだ

--:なぜAYA NEOを引き継ごうと思ったのですか。

Uncle Tail:先程述べた通り、私はポータブルゲーム機のヘビーユーザーですが、私の人生の中で一番長い時間寄り添ってくれたのは、さまざまなポータブルデバイスだったからです。

Windows CEやPalm、BlackBerryといったハンドヘルドコンピュータは、こんにちスマートフォンとしての進化を遂げました。一方でポータブルゲーム機については、初代ゲームボーイからNintendo Switchまで遊んできました。これだけポータブルゲーム機に対して熱愛している私が、自分のためのポータブルゲーム機を設計できる機会に巡り会え、これまでの知見を投入できるのは、感動的だったので、受け継ぐことを決心しました。

つまりポータブルゲーム機に対する熱愛が、AYA NEOを買収した原因の1つですね。

もう1つですが、Windowsポータブル機が登場してから数年が経ちますが、未だに私のニーズを満たしてくれるデバイスがなかったからです。AYA NEOの登場は、私がかつて欲しかったものを具現化し、ほかのブランドにはない特徴を持っているということを認識させてくれました。CEOに就任してブランドと製品を段階的に改善していこうと思ったのです。

もちろん、ビジネスという観点でも、Windowsポータブルデバイスの発展に期待していますし、多くのリソースと優れた成績を上げていましたので、この業界に一身を投じようと思ったのです。

--:まさに大きな決断で、人生の転機ですね。

Uncle Tail:ポータブルゲーム機好きが、ポータブルゲーム機を作る会社のCEOになる。まさに趣味ですよね。

私自身はもともと「AYA NEO Founders Edition」のユーザーでした。それを使っていく段階で見出した欠点を、当時のCEOに伝え、改善を求めたことが始まりでした。数回交流していくうちに、当時のCEOは私こそがこのプロジェクトに未来をもたらしてくれるものだと確信し、事業買収を提案してくれました。

会社を引き継いでから、もしかしたら私の過去の努力は、この(買収の)瞬間のためにあったのではないか気づきました。

つまり、私のそれまでの創業の経験、ポータブルゲーム機に対する知見、ブランドの運営のノウハウと理解、蓄積されたリソースなどは、すべてAYA NEOをより良くするためにあったんだと。

「凡心所向、素履所往、生如逆旅、一葦以航」ですね(意訳:行きたいところには、わらじを履いてたとしても行く。生命は逆行の旅で、例え船がアシの葉1枚だったとしても出航しなければならない)。

こんにち、AYA NEOの状況は悪くありません。むしろ多くの優位性があります。ポータブルデバイスへのニーズの高まりに対し、これからは私が持つすべての精力を投入し、努力していきたい所存です。